主の働き人を養成する学びの共同体

Evangelical Biblical Seminary

福音聖書神学校

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神学校のビジョン 神学校の教育理念 神学校のビジョン 主にある業の一貫性と世界の変化への対応

福音聖書神学校は、日本メノナイトブレザレン教団立の神学校としてのビジョンが与えられ、それに基づいて神学教育の業を行ってきました。それは1957年に「日本メノナイト・ブレザレン聖書学院」として開学してから変わらない方針です。日本MB教団がこの地において主の宣教の働きを担うために人材が求められ、その育成は宣教の重要な働きとして理解されてきました。その一方で、神学校の具体的な働きの内容が変化してきた事実があります。学校名や運営形態が変わったばかりでなく、科目やその内容など学校としての本質的で重要と思われる部分も変化をしてきました。人間が現実に生きている社会は否応なく変化し、それにともなって人々の生活は変わっていきます。福音は変わらなくとも、その伝え方や実現方法について見直さなければ、人々への説得力も失っていきます。神学教育は主にある業という一貫した姿勢とこの世界の変化に対応する姿勢、この2つ姿勢の狭間から福音聖書神学校のビジョンが生み出されてきました。このようなビジョン形成のあり方はこれからも続いていくことでしょう。21世紀、第3ミレニアムの冒頭の時代において、福音聖書神学校はこれからも神学教育・教会教育を通して、主と教会とこの世とに仕えていきたく考えています。

「福音聖書神学校の教育理念」について

2011年3月に開催されました日本MB教団協議会にて「福音聖書神学校の教育理念」が承認されました。この「教育理念」は、これからの神学校のビジョンの指針となる内容として重要な位置づけができます。教育理念とその説明が3つのポイントから述べられており、2016年3月に改訂された「日本メノナイトブレザレン教会 信仰告白」と軌を一にする内容になっています。

 

(1)聖書的であること

聖書は神の言葉として告白され、教会とキリスト者にとって信仰と生活との唯一の規範であると認められています。従って、聖書の内容理解は教会とその働きにとって代えがたい大切な基盤です。聖書へのこだわりは福音聖書神学校の中核的なビジョンであり続け、それは今でも引き継がれ、これからも変わらないでしょう。ただし、聖書の主張を学ぶだけでなく、そこに至るまでの聖書解釈を重視する方向性へとカリキュラムはシフトしています。聖書を読み解き明かすことは、教えられた内容を伝えるだけでなく、伝える内容に責任を負わなければなりません。聖書の内容を知り理解する過程を学ぶ意義は、聖書の言葉を生かす限り、学問的にも実践的にも重要だと考えています。

 

(2)宣教的であること

教会の使命と存在理由はこの世界に対する神の働きに参与すること、そのような理解がこの宣教という表現になっています。福音聖書神学校をはじめ多くの神学校は教会形成やその他の働きを教会の側からの視点だけで考えてきました。現在ではこの視点に加えて、宣教の対象を学ぶ視点が意識されつつあります。それは教会の外の状況を学び、それを考慮していく学びです。宣教的であることは、教会の都合で成り立つ一方通行ではなく、神の救いを経験する人々との双方向性になります。これは、宣教学分野に留まらず、聖書学分野、組織神学分野、実践神学分野にも大きな影響を与える視点と言えるでしょう。

 

(3)平和的であること

福音の中核を平和や和解に求めてきたメノナイト派としての自己理解に基づくビジョンです。平和に対する考え方は様々でその理想も多種多様ですが、神学校の平和に関するビジョンは、今のところメノナイト的な平和の考えを掘り下げていく段階にあり、その視座から聖書や神学を教え学ぶ意義を求めています。同時に、平和や和解は現実的な働きに結び付いていきますので、新しい時代や社会にキリストの平和を作るための新たな展開も予想されます。メノナイト派にとって、聖書は教会の働きの根拠であり、宣教は教会の働きの視点であるとすれば、平和は教会の働きの内容となります。

生涯教育への貢献

福音聖書神学校はMB教団の牧師、宣教師、伝道師などの人材育成を目的に建てられています。そのことで、ある限られた人々のみが神学校で学ぶことが許されている、そのような状況を生み出しました。確かに実際に教会内外で働きうる人材を育成するという観点からすれば、誰もが神学校に入学できるわけではありません。その一方で、日本MB諸教会の状況や教職者の現状に合わせる形で、また教会の様々な賜物をより適切に生かすために、教団も地方教会もより広い範囲から人材を確保する方向を模索してきました。2016年3月の協議会で教職資格の条件から性別を除く決定をしたのもその一つと言えます。また、フルタイムではなくとも牧師や他の奉仕者とともに教会の働きを行いたいと考える方々、教会生活のために神学や聖書をより深く学びたい方々も増えてきました。いろいろな必要が生まれ表面化する中で、神学校も多様な学びの可能性や機会を提供したく祈り、話し合ってきました。

教会にはもともと教え・学ぶ働きが求められています。マタイ福音書の最後に記されたイエスの言葉に代表されます(マタイ福音書28:19-20)。教育は神とともに生きる者に求められていることです。それを、現代的用語として生涯教育と言い換えても許されるでしょう。そこには、これから学びたい教会の方々だけでなく、牧師や宣教師など本科を卒業したフルタイムの働き人も含まれます。教会教育・生涯教育に貢献していくように努めたく考えています。

他神学校との交わり

これまでも福音聖書神学校は福音派サークルの中である程度の地歩を占めてきましたが、福音派の神学教育が変化し、その取り巻く環境が推移する中で、メノナイト派の背景を持つ神学校としての特徴を生かす道を探る新しい時代が来ていると考えています。また、他教派の中でもMB教会や福音聖書神学校と神学的な主張を積極的に分かち合える神学校は多くあり、そのような教育機関との交わりから私たちは多くの良いものを得ることができます。福音聖書神学校は自らの神学的・実践的特色をまとめて理解することで、日本宣教という複雑で広いコンテクストの中で神学的貢献ができます。

また、日本のメノナイト派のサークルでの福音聖書神学校の働きの可能性、あるいはMBの国際レベルでの貢献を考えていくことも重要でしょう。教団教派という壁、他のメノナイト派との神学的・社会的なギャップなど、歴史的に見て外側の人々との関係性にはいろいろな困難はありますが、それを越えていく努力には価値があります。互いに理解できる言語・思考パターン・行動を聖書的・神学的に求めていくのも神学校に与えられた使命です。

福音聖書神学校の教育理念 教育理念

私たちの神学校は聖書に基づく神学教育を施し、宣教的・平和的視野を持った働き人を育成します。

教育理念の説明

聖書に基づく神学教育とは、聖書は霊感された神のことばであり、私たちにとって、またすべての人間にとって、信仰と生活の誤りなき規範であるとの確信に土台を置くことです。聖書は預言者や使徒たちによって記された神の自己啓示の記録です。神は今日においても聖書のみことばを通してご自身を啓示しておられます。それゆえ私たちは聖霊の助けを求めながら、注意深く聖書を解釈しなければなりません。聖書の原語や文法的な文章構造の研究、聖書が記された文脈の考察等を通して著者が当時の読者に何を伝えようとしていたのかを見出し、さらに解釈されたその聖書テキストが今日の私たちに何を語っているのかを探求します。

宣教的であるとは、キリストにある信仰に人々を導く働き(伝道)であり、さらに広い意味での神の全世界(全被造物)に対する贖いのみわざに関わっていくことを意味しています。キリストの救いは魂や人間のからだだけでなく、目に見える全世界を贖うものです。教会はその本質において宣教的であり、神は教会をご自身の民として呼び出され(召命)、さらに教会は御霊によってこの世に送り出され、神の宣教に参加します。クリスチャンはキリストの弟子として生活のあらゆる領域において神の国を押し広めていくのです。

平和的であるとは、暴力に満ちたこの世界の中で、イエスの生き方に倣い、和解の使者として、平和をつくる道、暴力によらない愛の道を進んでいくことを意味しています。キリストの十字架における和解のみわざは平和を求める神学の中心です。イエスは神と人間との関係を修復するために来られたのですが、私たちの主の犠牲的な死は私たちの罪をあがなうだけではなく、すべての人類をひとつに和解させるものです。それはあらゆる敵意を廃棄し、互いを隔てる様々な壁(文化、人種、社会的階級、性別等)を取り除きます。

福音聖書神学校のあゆみ

1957年 日本MB教団立の「日本メノナイト・ブレザレン聖書学院」を創設

1961年 バプテスト2団体と合同で「大阪聖書神学校」を開校

1971年 日本MB教団立の「福音聖書神学塾」として再スタート

1977年 他団体の学生にも開かれた「福音聖書神学校」を設立

現在に至る

 

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